[case5] 使わなくなった呉服を鞄にリメイク
case5
着物や羽織から帯へのリメイクはおびやでも人気サービスのひとつですが、譲り受けたけど使わず持て余している呉服をお持ちの方(和装されない方)にもご利用いただけるリメイクがあれば…と立ち上がったサービス。
2023年12月
試作品
おびやの定番となったドクターバッグですが、生地に西陣織や大島紬を使ったドクターバッグも製作・販売しています。
ということはですよ…?
「呉服の生地が使えるなら、皆さまがお持ちの帯や着物も使えるのでは?」というアイデアに辿り着くまで、時間はかかりませんでした。
さっそく試作してみると、これが思った以上の出来栄え♪
帯としては(失礼ながら)古めかしくて締められない…と思っていたのが、いざバッグになると
レトロモダンの雰囲気で、個性的だけど大人の落ち着きもある、唯一無二な仕上がりに。
※リメイクする素材は「使わなくなった呉服」を想定しているので、試作品に使った帯もかなり年季が入っています。でも素敵ですよね!
2024年2月
サービス開始
いよいよサービス開始。お客さまの大切な帯や着物をお預かりするということで、サービス開始にあたり慎重に準備を進めました。
ドクターバッグのタイプが3種類、ハンドル部分などに使われる革が4種類の中から、それぞれからお選びいただきます。
※革の色が決められない!というお客さまには、生地と4色の革を合成したシミュレーション画像を無料でお送りします
サービス開始から数か月経ち、特に印象に残ったご注文がありました。
あるお客さまから送られたリメイク用の帯。
状態があまり良くなく、私たちはお引き受けして良いかどうか迷いました。
お客さまにも「あまり綺麗な状態でお渡しできないかもしれません」とお伝えし
ご理解いただいた上でバッグの製作に入りました。
バッグの職人さんと打合せし、なるべく傷みが目立たないよう処置し、バッグは無事に完成。
締められる状態からほど遠かった帯が、打って変わって、上品で美しいバッグに生まれ変わっていました。
(正直私たちも、こんなに見違えるとは…と驚きました)
聞くとそのリメイクした帯は、お客さまのお母様の私物だったそうです。
ここからは推測ですが、リメイクをオーダーされたお客さまは、和装されないのかもしれません。
譲り受けても、タンスにしまう以外、なす術が無かった帯。それがバッグとして日常使いできることで
よりお母様の思い出を身近に感じられるようになるのではないでしょうか。
私たちの『鞄リメイク』サービスは、「バッグを作る」という物質的な価値を生むだけではなく、
お客さまの心に寄り添える…そんな可能性を持ったサービスなのかもしれません。